為替レートの表示は「EUR/USD 1.08」のように単純に見えますが、一つの数値に複数の情報が詰まっています。読み方と、表示レートに隠れたコストを見抜く方法を解説します。
それぞれの通貨はどれ?
通貨ペアでは、先に書かれた通貨が基準通貨、後に書かれた通貨が決済通貨です。数値は、基準通貨1単位で決済通貨をいくら買えるかを示します。
- EUR/USD 1.08 → 1ユーロで1.08米ドルを買える。
- USD/JPY 150.00 → 1米ドルで150日本円を買える。
通貨ペアの順序は市場の慣例で決まっており、自由に選べるものではありません。EUR/USDやGBP/USDのように常に一方の順序で表示されるペアもあれば、USD/JPYやUSD/CADのように逆のペアもあります。レートを調べるときは、どちらが基準通貨かを把握しましょう。そうしないと、150円を150ドルと読み違えるかもしれません。
大きな数字とピップ
EUR/USD 1.0850の場合、大きな数字(ビッグフィギュア)は1.08で、末尾の2桁、つまりピップは50です。多くの通貨ペアは小数点以下4桁または5桁で表示され、円を含むペアは2桁または3桁です。主要通貨ペアの日々の変動は数十ピップ程度であることが多いため、1日の変動が1%なら大きな動きです。
市場に2つのレートがあるのに、表示は1つだけなのはなぜ?
プロの市場では、2つの価格、すなわち買い手が支払う買値(ビッド)と、売り手が受け入れる売値(アスク)が提示されます。その差がスプレッドで、市場自体の取引コストです。EUR/USDでは1ピップ未満の場合もありますが、エキゾチック通貨ペアでは何百倍も広くなることがあります。
顧客として両替するときは、通常1つのレートが表示されます。そのレートは市場仲値に事業者の上乗せを加えたものです。市場仲値と提示レートの差が大きいほど、手数料欄に何と書かれていようと、実際の両替コストは高くなります。
クロスレート:なぜドルがどこにでも出てくるのか
多くの通貨ペアは直接取引されません。デンマーク・クローネをブラジル・レアルに両替したい場合、市場ではDKK→USDとUSD→BRLをつないで価格を決めます。そのため、ドルを基準とする参考レートはあらゆる通貨の比較に役立ちます。また、珍しい通貨ペアではスプレッドが広くなることがあります。表示上は1回の両替でも、実際には2回分のコストを負担するからです。
実践的な読み方の手順
- 1. Fxverter、Google、その他の参考情報源で、対象の通貨ペアの市場仲値を確認する。
- 2. 送金について、事業者が提示する受取総額を確認する。
- 3. 受取額を、市場仲値で両替した場合の金額で割る。差が実際のコストです。
- 4. 2社目でも同じ比較をする。勝者を決めるのは手数料ではなく、その差です。
この読み方が身につけば、「手数料なし」という宣伝にはもう惑わされません。相手が見せたい数字ではなく、見るべき数字を確認できるからです。